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消費税課税事業者の判定 [仕事]

平成25年1月1日以後開始する事業年度から
「消費税課税事業者(法人)」の判定が以下のようになりました。
従来の「基準期間」に、「特定期間」という判定が加わりました。
 
基準期間の課税売上高      が1千万超   基準期間の課税売上高が1千万以下  (※1)
   
  消費税課税事業者選択届出書  (※2)
     
  提出あり   提出なし  
   
         特定期間の課税売上高
       または給与等支払額
 (※3)
     
  1千万超   1千万以下  
       
                              課   税   事   業   者   免税事業者  



(※1) 基準期間とは、事業年度が1年である法人の場合、

その事業年度の前々事業年度となります。

個人事業者が法人成りして新規に法人を設立しても、個人事業での

課税売上高は法人での基準期間の課税売上高とはなりません。

(※2) 免税となる事業者でも届出により

課税事業者になることはできます。

(※3) 特定期間とは、原則として

その事業年度の前事業年度開始の日以後6ケ月の期間のことですが、

前事業年度が1年でない場合、

新設法人で決算期の変更を行った場合などで

特定期間が異なることがあります。 

なお、特定期間の課税売上高か給与等支払額の

いずれかが1千万円以下であれば

免税事業者と判定することができます。


■ 新設法人や合併、分割などがあった場合には、

この表とは別の判定となります。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6501.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6503.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6531.htm



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e-Taxなどの利用率が50%超に [仕事]

国税庁は5月に

「平成24年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等

について」 を発表しました。

そのなかで、

Ⅱ 各種施策の実施状況

1「ICTを利用した所得税確定申告書の提出人員の状況」 によれば 、

確定申告書等作成コーナー、e-Taxなど

ICTを利用した所得税の確定申告書の提出人員は1,107万1千人。

所得税の確定申告書の提出人員に占める

ICTを利用した提出人員の割合は51.4%となり、

初めて50%を超えました。

なお、平成20年分のICTの利用は 3 4. 1%でしたので、

4年で1 7. 3%増えたことになります。


http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2012/kakusihin_jokyo/index.htm






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法人の預金利息と復興特別所得税 [仕事]

東日本大震災復興のため平成25年から25年間、

預金利息や配当に対しても

2.1%の復興特別所得税が課税されます。

そのため、法人が支払いを受けた利息について控除を受けるには

国税を所得税と復興特別所得税に分ける必要があります

(定期預金は、銀行などの計算書から明細が分かります)。


税 率 H24年12月まで H25年~H49年
  国税(所得税) 15% 15%
  国税(復興特別所得税) - 0.315% (15%×2.1%)
小 計 (15%) (15.315%)
  地方税 5% 5%
合 計 20% 20.315%


例えば、平成25年~平成49年に支払いを受けた利息が

手取り800円の場合の計算と

(この計算は、個別にするのが原則ですが

期末に一括して計算しても良いことになっています)

別表への記載は次のようになります。


 利息の総額  800円 ÷ 0.79685 ※ =  1,003円  1円未満切捨て
 国税  1,003円 × 0.15315 = 153円  1円未満切捨て
 (復興特別所得税)  153円 × 2.1 / 102.1 = 3円  50銭以下切捨て、
 50銭超切上げ
 (A)
 (所得税)  153円 - 3円 = 150円  (B)
 地方税  1,003円 × 0.05 = 50円  1円未満切捨て  (C)
※ 1 - 税率 20.315% = 0.79685
( A ) ・・・ 復興特別法人税申告書別表二 1の② へ転記
( B ) ・・・ 法人税申告書別表六(一) 1の② へ転記
( C ) ・・・ 法人都民税事業税申告書第九号の二様式 1の② へ転記




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医療費控除の勘違い [仕事]

所得税の確定申告が終了しました。

今年も相談会場でいろいろな相談を受けましたが

そのなかでも医療費控除についての勘違いが多いようでした。

どのような勘違いだったのでしょうか。


■医療費の領収書をもってきたので還付して欲しい。
■支払った分、全てを還付して貰える ?
■還付が昨年より少ないのでは !

領収書だけでなく給料や公的年金等の源泉徴収票なども必要で、

源泉徴収票に源泉徴収税額がなければ戻ってきません。

所得金額に応じて(税率が異なるため)還付される金額は変わります。

源泉徴収された範囲内でしか還付されない、

還付される金額も、その年の所得により違ってくる

ということを勘違いされている方が多いようです。


■支払いが10万円にならないので申告できない。
■医療費の補填があったのに差し引いていない。
■12月分の請求を翌年に払ったのに今年に加えて計算している。

医療費控除の計算は(最高で200万円まで)、

支払った医療費 - 保険金などで補填される金額

- 10万円 (その年の総所得金額等が200万円未満の場合は

総所得金額等の5%)のため、支払いが10万円にならなくても

所得によっては還付される可能性があります。

補填される保険金は、翌年になってから入金する場合でも

今年の医療費から差し引き、

確定申告までにいくら入金されるか不明なときは

見積もり計算する必要があります。

「年間で実際にはいくら負担したか」という計算をしなければなりません。

なお、実際の支払いより多く保険金などで補填されても

他の医療費から差し引く必要はありません。

また、12月分の請求を翌年になって支払った場合、

実際に払った年の対象となります。

医療費控除の計算は、

一年間に払った医療費の合計で計算されますので、

歯の治療代14万円を12月に7万円、翌年1月に7万円

支払ったような場合、各年ごとに10万円が差し引かれる

ということに注意しなければなりません。


■源泉徴収票を紛失、再発行して貰ったけれど3月15日に
間に合わなかった。
■昨年の医療費の領収書が見つかった。

確定申告の必要がない人が還付申告する場合、

還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間の期間内であれば

提出することができます。

既に還付申告をしている場合には更正の請求という手続きになります。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2035_qa.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2035.htm



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平成24年分の所得税確定申告 [仕事]

いよいよ平成24分の所得税確定申告が始まります。

例年、2月16日から申告できますが、

今年(平成25年)は2月16日が土曜日ですので

申告書を提出する期間は

平成25年2月18日(月)から平成25年3月15日(金)となります。

申告の期間が短くなっていますので、

早めに申告、または税理士に相談されることをお勧めします。

なお、還付の場合は2月16日前でも提出できます。


確定申告の納付期限は平成25年3月15日(金)、

口座振替の届出をして、期限内に申告した場合の振替日は

平成25年4月22日(月)となります。


個人事業者の消費税や贈与税をあわせた

平成24年分の確定申告をまとめると、 次のようになります。


所 得 税 個人事業者の
消費税及び地方消費税
贈 与 税
申告期間 2月18日~3月15日 1月4日~4月1日 2月1日~3月15日
納 期 限 3月15日 4月1日 3月15日
振 替 日 4月22日 4月24日 -
  ※ 贈与税には、振替納税の制度がありません。


http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2012/shinkoku/index.htm

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/qa/10.htm



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復興特別所得税が施行されました [仕事]

東日本大震災の復興財源である復興特別所得税が

平成25年1月1日から施行されました。

復興特別所得税とは、どのような税金で、

我々にも影響があるのでしょうか。


・・・ 源泉徴収の対象となる所得に、

平成25年1月1日から25年間

所得税に加えて2.1%の復興特別所得税が徴収されます。

そのため、給与など手取りの減少となります。



■ 源泉徴収の対象となる所得とは

給料や配当金、預貯金の利子など。

会社など所得税の徴収義務者は、

給料を源泉徴収して従業員に支払います。

このような所得税を源泉徴収することになっている

支払いが対象となります。


■ 税率は

( 源泉徴収の対象となる ) 支払金額等 × 合計税率 (%) です

( 合計税率 (%) とは、所得税率 (%) × 102.1% )。


■ 期間は

平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間

に生じる所得です。


■ 誰が徴収するの

所得税の源泉徴収義務者が所得税を徴収するさい

復興特別所得税を併せて源泉徴収することになります。



例えば、(社会保険料等を差し引いた後の) 給料の額が

30万円の場合、源泉税は 8,250円から 8,420円に

50万円であれば 29,280円から 29,890円となります。

税理士の報酬に対する源泉税も、10%の税率が、10.21%になり

税抜き 5万円の場合、源泉税は5,000円から 5,105円にアップ

手取りの減少となります。






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生命保険料控除の限度額 [仕事]

平成22年度の税制改正により、生命保険料控除が改組され、

平成24年分以後の生命保険料控除について、

「介護医療保険料控除」を追加、

各保険料控除の合計適用限度額も12万円とされました。

従来の「一般の生命保険料控除」、「個人年金保険料控除」も

平成24年1月1日以後締結したものと、

同日前に締結したかの区分がされるようになりました。

H24.1.1以後締結 H23.12.31以前締結
一般の生命保険料 新生命保険料 旧生命保険料
個人年金保険料 新個人年金保険料 旧個人年金保険料

※ 平成23年12月31日以前に締結された保険契約等であっても、

平成24年1月1日以後に、更新・特約の中途付加があれば、

更新等の日以後の保険料から新契約となります。

生命保険料控除証明書の適用制度欄を確認して下さい。


【保険料控除の計算】

新旧の契約に係る一般の生命保険料がある場合、

算式からそれぞれ別個に計算、

どちらの控除額を適用するか選択できます。

算式で計算した結果、ケースAとケースBのような控除額となった場合、

生命保険料控除額は次のようになります。

ケース A ケース B
①新生命保険料に係る控除額 (最高 40,000円) 30,000円 40,000円
②旧生命保険料に係る控除額 (最高 50,000円) 50,000円 30,000円
③(①+②) 両方の適用を受ける場合 (最高 40,000円) 40,000円 40,000円
   ↓
②と③のいずれか大きい金額 ・・・生命保険料控除額 50,000円 40,000円
個人年金保険料も同じ計算となります。
さらに、介護医療保険料の控除額 (最高 40,000円) がある場合には、
次のようになります。
ケースC ケース D
Ⅰ. 一般の生命保険料に係る控除額 50,000円 40,000円
Ⅱ. 個人年金保険料に係る控除額 50,000円 40,000円
Ⅲ. 介護医療保険料に係る控除額 40,000円 30,000円
   ↓
Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ (最高120,000円) ・・・生命保険料控除額 120,000円 110,000円


各保険料控除の合計適用限度額が12万円になりましたが、

12万円の控除となるのは、

ケースCのような場合か、

Ⅰ.Ⅱ.Ⅲとも4万円の控除の場合に限られます。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/05/74.htm


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個人株主が非上場株式を売却する場合の税金 [仕事]

同族会社 (甲) の個人株主 : A は、

所有する甲の株式 (非上場株式) を

① 個人株主である : B

② 発行法人である会社 (甲)

どちらかに売却しようと思っています。

この場合、売却する相手により

個人株主 : A の税金に違いがでるのでしょうか。


     同族会社 (甲)
← ②   甲の個人株主 : A
↓  ①
  甲の個人株主 : B


① 個人株主 : B に売却する場合

株式等の売却は譲渡所得となり、収入 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) に

国税 15%、地方税 5% (申告分離 : 他の所得と区分して計算) 

が課税されます。


② 発行法人である同族会社 (甲) に売却する場合

同族会社 (甲) からみると、資本の払い戻しと考えられ、

資本金等に対応する部分と利益積立金額に対応する部分に

分けられます。

すなわち、売却価格 = 資本金等 + 利益積立金額 となります。


※ 資本金等に対応する部分は、

売却した株式数 × 資本金等の額 / 発行済株式数

で計算されます。


< 甲の貸借対照表 > <売却価格 > <株主の税金 >
   資 産 負 債
   純資産
       資本金等 取得費
譲渡所得
払い戻し 利益積立金額 配当所得



個人株主 : A からみると、

資本金等に対応する部分は (取得費の控除後が) 譲渡所得、

利益積立金額に対応する部分は配当とみなされ

配当所得 (総合課税 : 他の所得と合算して計算) として課税されます。

配当所得は、配当控除を受けることができますが、

他の所得とあわせて累進税率で課税されるため、

高い税率になることもあります。


なお、相続又は遺贈により財産を取得して相続税を課税された人が、

相続等で取得した非上場株式を、相続の開始があった日の翌日から

相続税申告書の提出期限の翌日以後3年以内に

発行法人である会社に売却した場合は、配当所得とはみなされず

全額、譲渡所得となります。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1477.htm


このように、売却する相手が個人か会社 (発行法人) かにより

税金の種類が異なります。

譲渡所得の場合、申告分離課税 (国税 15% ,地方税 5%) ですが

配当所得の場合、総合課税 (国税、累進税率 5%~40%) となるため

売却額によっては手取りにかなり違いがでてきますので、

よく検討する必要があります。




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法人税率の改正と復興特別法人税 [仕事]

平成24年4月1日以後に開始する事業年度から

法人税率が以下のように引き下げられます。

しかし、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間で

最初に開始する事業年度から3年間については、

東日本大震災の復興財源として

復興特別法人税(法人税額の10%相当額)が課税されるため

次のようになります。


普通法人の区分 資本金(出資金)1億円超の 資本金1億円以下の法人
法人及び相互会社
所得金額のうち
課税の対象              所 得 金 額 年800万円 年800万円
以下の部分 超の部分
税率(改正前) 30% 18% 30%
税率(改正後) 25.5% 15% 25.5%
復興特別税加算後 28.05% 16.5% 28.05%




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改正法案が未成立だと・・・ [仕事]

2011年度第3次補正予算が11月21日可決、

復興増税法案など関連5法案も成立する見込みで、

消費税増税が論点となっているようです。


3月の東日本大震災の影響で

平成23年度改正法案のうち、どこまでが成立しているのか

未成立の法案がどのようになるのか

今年ほど、税制がわかりづらい年はありませんでした。


国の将来を左右する税制。

十分な議論を尽くすべきと思う反面、

税理士としては早く確定して欲しいと

複雑な心境です。



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相続税の改正 - 大増税が目前 - [仕事]

所得税、法人税の増税が議論されていますが、

相続税の改正も予定されています(更に増税の可能性もあります)。


相続税の計算は、図のようになりますが、

遺産額から控除できる基礎控除の

大幅な引き下げにより

申告しなければならないケースが増え、

納税額も増えました。

今まで、自分には関係ないと思っていたことが

身近な問題となってきます。


改  正  案
相続財産 土地・建物・有価証券・現預金など
時価で評価
+
相続で取得 死亡保険金・死亡退職金
とみなされる 生命保険契約に関する権利など
相続財産 相続で取得したとみなされる
非課税財産  相続で取得したとみなされる財産のうち  未成年者、障害者または相続開始直前に
 死亡退職金や死亡保険金には非課税枠があり  被相続人と生計を一にする者
 死亡保険金の非課税枠  法定相続人1人あたり 500万円
 ・・・法定相続人1人当たり 500万円  ∴ 別生計の子には非課税枠なしに
債 務  借金や葬式費用など
葬式費用
+
3年以内  財産を取得した人が、相続開始前3年以内に
の贈与財産  被相続人から財産の贈与を受けている場合
基礎控除  5,000万円+1,000万円×法定相続人数  3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数 に
相続人  妻と子二人の場合は 8,000万円が  4,800万円に ( 3,200万円 減 )
 妻と子三人の場合は 9,000万円が  5,400万円に ( 3,600万円 減 )
=
課 税  相続税を計算する基となる価額
遺産総額
法定相続分  法定相続分に応じた税率  最高税率の引き上げと税率構造の見直し
の取得金額   1億円以下の金額・・・ 変更なし   2億円以下の金額・・・ 40%
× 税率   3億円以下の金額・・・ 40%   3億円以下の金額・・・ 45%
= 相続税   3億円超の金額 ・・・ 50%   6億円以下の金額・・・ 50%
の 総 額   6億円超の金額 ・・・ 55%
 配偶者の税額軽減や贈与税額控除などのうち
各 人 別  未成年者控除・・・20歳に達するまで年6万円  未成年者控除・・・年 10万円に引き上げ
の 計 算  障害者控除・・・85歳に達するまで年6万円  障害者控除・・・年 10万円に引き上げ
  (特別障害者は年12万円)   (特別障害者は年20万円に)



相続対策は、

どのような財産や債務があるか

家族構成などにより、

画一的には決まりません。

また、相続税が増税される一方

贈与税の軽減や相続時精算課税の見直し

が行われます。

そのため、将来の相続を想定し、贈与を組合せ

長期的な観点で対策を講じることが必要となってきます。


税理士に相談されることをお勧めします。




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婚姻期間が20年以上の配偶者にプレゼント ! [仕事]

配偶者にマイホームをプレゼントしても、

2,110万円までは課税されない制度があるのをご存じですか。

「贈与税の配偶者控除」といい、

要件に該当すればお勧めできる制度と思います。

来年には相続税の改正もあり(増税となることが予想されています)

土地評価の基準となる「路線価」も下がっていますので、

検討されても良いのではないでしょうか。


■適用要件

①婚姻期間が20年以上の配偶者から (同一の夫婦で一回限り)

②自分が住むための居住用不動産

(国内の家屋またはその家屋の敷地・借地権)

または居住用不動産の購入資金、を贈与され

③贈与を受けた人は贈与された不動産に翌年3月15日までに、

居住または不動産を取得し居住、その後も居住する予定であり

④税金が発生しなくても贈与税の申告をする


その場合に、贈与された不動産を評価して贈与税の申告をしますが

贈与税の基礎控除 110万円 + 配偶者控除 2,000万円 = 2,110万円

まで控除できる(課税されない)制度です。

2,110万円を超える場合、超えた分は通常の贈与税の税率で課税され、

2,110万円以下の場合は、そこまでとなり繰り越すことはできません。


■制度のメリット

相続対策に有効となります。

被相続人の財産を減らすことができ、

さらに、贈与されて3年内に相続が発生しても相続税で

「相続開始前3年以内の贈与財産の加算」は適用されません

(配偶者控除として適用された部分まで)。

※通常は、相続開始前3年内に贈与された財産があるときは

相続財産に加算されます。


所有している居住用不動産を贈与された場合、

相続税評価額で計算されるため

時価に比べ低い評価となります(土地の路線価は公示価格の約8割)。

そのため、現金より現物で贈与された方が有利となります。


将来、売却を考えている場合、

土地と建物を共有にしておくことで、

各種の特例を2人で使えます。


■検討事項

以上は贈与税でのことで、

登録免許税や不動産取得税はかかります。

不動産取得税は贈与の場合は課税されますが、

相続の場合はかかりません。


どのような財産(居住用財産の面積や事業用財産の有無など)が

どれぐらいあるか(相続財産が相続税の基礎控除以下など)により、

贈与する必要もないケースも考えられます。


一度しか使えないので、

将来の土地の時価や建物の評価額も考慮して、

贈与する年を決めなければなりません。


全てを勘案して判断することが必要となります。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4452.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4455.htm




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国民健康保険料が大幅にアップ ! [仕事]

区から国民健康保険料の通知書が送られてきました。

金額をみて間違いではないかと思った人も多いのではないでしょうか。

特に、扶養家族が多い世帯の負担は大幅に増えています。

今回から国民健康保険料の計算方法が

「住民税方式」から「旧ただし書き方式」に変更となったためですが

どのような違いがあるのでしょうか。


ある事業者の所得税の申告が次のとおりだとします。
収 入 1,000万円
経 費 600万円
= 所得 (利益) 400万円
所得控除 280万円
= 差 引 120万円
所得税は差引120万円を元に計算されますが、
住民税や「住民税方式」の国民健康保険料も同じです。
一方、「旧ただし書き方式」では
収 入 1,000万円
経 費 600万円
= 所得 (利益) 400万円
所得(利益)を元に計算されます。
違いは、所得控除が計算からはずれたことです。
収 入 1,000万円
経 費 600万円
= 所得 (利益) 400万円 → 旧ただし書き方式
所得控除 280万円
= 差 引 120万円 → 所得税・住民税・住民税方式



所得控除とは、社会保険料控除や医療費控除、障害者控除

配偶者控除、扶養控除などで所得税を計算するさい控除されます。

それが「旧ただし書き方式」により、計算からはずれることで

所得控除を受けている世帯の負担は当然アップしますが、

特に扶養家族が多い家庭などは大きく、

専業主婦と大学生2人の子供がいる場合には

配偶者控除、扶養控除だけで164万円、

社会保険料控除等を加えれば300万円ぐらいの

控除がなくなります。

それに料率 8.09% (40~64歳の場合は 9.09%) がかかりますので

経過措置があるとはいえ、かなり増額の人もでてきます。


「国保だより」には、

「旧ただし書き方式は、所得を元に算定する方式であるため、

所得や医療制度の変動がない限り保険料が安定します。

所得に応じて幅広い世帯が負担するので、

相互扶助の理念にかなう公平な方式です。」

と記載されています。


所得税には、なぜ扶養控除があるのか。

同じ所得でも、一人暮らしと扶養家族がいる人とでは

生活費や教育費など必要な資金に差がでるのは明白です。

さらに、高額所得者の負担は

最高限度額があるため変わりません

(最高限度額も毎年のように数万円ずつアップしていますが)。

そのため、低・中所得者で所得控除も多い、資金的に苦しい人の負担が

大幅にアップするということになります。


担税力を考えれば、「所得を元に算定するのが公平な方式」という

説明には納得できないのではないでしょうか。




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法人が赤字決算 - 欠損金の繰戻し還付請求 - [仕事]

昨年は黒字決算で納税したものの

当期は赤字決算という法人もあるのではないでしょうか。

当期の欠損金を法人税別表7(1)で繰り越し、

翌期以降黒字が発生した時に相殺。

とはいえ、今後数年は赤字の予想で当分黒字の見込みもない・・・


そのような場合、

連続して青色申告書を提出している

資本金1億円以下の中小企業者等であれば、

前期の黒字と当期の赤字を通算、

昨年納税した税金を還付して貰える

「欠損金の繰戻しによる還付請求」という方法があります。



【前期の法人税額】 【当期の還付金額】
所得   税率
500 × 18 % = 90  90 × 200 / 500 = 36 ※
前 期                当 期
所得 500       所得 (欠損) △ 200
200
+   通 算
      200
   ※ 還付請求できる金額 =
       前期の法人税額 × 当期の欠損金額 / 前期の所得金額



設立後5年以内の中小企業者等を除き停止されていた

この制度が復活、

平成21年2月1日以後に終了する事業年度から

適用できるようになりました。

欠損金の「還付請求」か「繰越控除」との選択適用で、

法人税だけの制度です。

還付請求書を確定申告書とともに期限内に提出する必要があります。


検討されても良いのではないでしょうか。



ただ、法人税には、

【 法人税法第80条 (欠損金の繰戻しによる還付) 第6項 】
税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、
その請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について
調査し、その調査したところにより、その請求をした内国法人に対し、
その請求に係る金額を限度として法人税を還付し、
又は請求の理由がない旨を書面により通知する。


という規定もあります。

念のため。



※ 東日本大震災で被害を受けた法人に対する国税関係の

特例措置等については

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/tokurei/hojin_01/index.htm



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義援金等を支出した場合の税務上の取り扱い [仕事]

東北地方太平洋沖地震により、

日本赤十字社などに義援金等を支出した場合、

その義援金等が、下記の寄附金に該当すれば

個人の場合は、特定寄附金として寄附金控除の対象に

法人の場合は、損金算入となります。


【 寄附金に該当する義援金とは 】

国または地方公共団体に対して直接に寄附した義援金等、

日本赤十字社や中央共同募金会の「東北関東大震災義援金」

口座などに直接寄附した義援金、

新聞・放送等の報道機関や募金団体に直接寄附した義援金で、

最終的に国や地方公共団体に拠出されることが明らかなもの。


寄附金に該当すると個人の場合、

その年中に支出した特定寄附金の額の合計額から

2千円を控除した金額が所得金額から控除され、

(特定寄附金の額の合計額は所得金額の40%相当額が限度)

法人の場合には、支出額の全額が損金算入されます。


適用を受けるための手続きは、

個人の場合には、

確定申告書に寄附金控除に関する事項を記載し、

寄附したことを確認できる領収書などを添付または提示、

法人の場合には、

確定申告書の別表で寄附に関する事項を記載し、

寄附したことを確認できる領収書などを保存する必要があります。


http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin/gienkin.pdf http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin/gien_faq.pdf


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確定申告、我が家の 『梅』 も満開だ ! [仕事]

我が家の 『梅』 が満開となってきた。


確定申告で大変なこの時期に

毎年花を咲かせてくれる 我が家の 『梅』 。

お蔭で、どれだけ心が癒されただろう。

辛くなると、この 『梅』 を見ては気持ちが和まされてきた。


CIMG2368.jpg


さあ 確定申告も もう少しだ、頑張ろう !

 


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給与所得者で確定申告が必要な人とは [仕事]

サラリーマンなど給与所得者は、

年末調整で所得税の精算が終了するため通常は申告不要ですが、

以下のいずれかに該当する場合には確定申告を

しなければなりません。


■ 給与の収入金額が2,000万円を超える人

■ 1か所から給与の支払を受けている人で、

給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人

■ 2か所以上から給与を受けていて、

年末調整されない従たる給与の金額と

給与所得や退職所得以外の所得との合計額が20万円を超える人

■ 同族会社の役員やその親族などで、

給与のほかに貸付金の利子や店舗の賃貸料収入などを受けた人

■ 災害免除法によって給与に対する源泉徴収の猶予や

還付を受けた人

■ 給与の支払を受ける際に源泉徴収されない人

( 在日の外国公館に勤務する人や家事使用人など )


また、退職所得がある場合も

■ 退職所得に対する税額が、源泉徴収された税額よりも多い

■ 外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されていない

場合には確定申告が必要となります。


逆に、

■ 医療費控除や寄付金控除、雑損控除などの適用がある人

■ 年の中途で退職して年末調整を受けていない人

■ 住宅借入金等特別控除を受けることができる人

などの場合は確定申告をすれば税金が戻ります。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2020.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2030.htm




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平成23年分の源泉徴収事務改正点 [仕事]

子ども手当の支給や高校授業料の無償化に伴い、

平成23年分の給与の源泉徴収について、

19歳未満の控除対象扶養親族に対する

扶養控除の見直しがありました(平成22年度の税制改正による)。


■ 年齢16歳未満の扶養親族に対する扶養控除の廃止。

改正前 : 38万円

改正後 :   0 円

● 年齢16歳以上19歳未満の人の扶養控除の

上乗せ部分(25万円)廃止。

改正前 : 63万円

改正後 : 38万円


これらの改正は、平成23年1月1日以後支払うべき給与

について適用されます。

源泉徴収するさい、

控除対象配偶者と年齢16歳以上の控除対象扶養親族の人数

の合計により税額を算出されることとなり、

年齢16歳未満の扶養親族の人数は、扶養親族等の

数に加えないことになりますので注意して下さい。


個人住民税についても同様に

■ 16歳未満の扶養控除

改正前 : 33万円

改正後 :   0 円


● 16歳以上19歳未満の扶養控除

改正前 : 45万円

改正後 : 33万円

となります。


なお、この改正は、

所得税については平成23年分(平成23年1月分の源泉徴収)から、

住民税は平成24年度分(平成24年6月分の徴収)からの

適用となります。


※ 年齢16歳未満の扶養控除が廃止されたことに伴い、

控除対象配偶者または扶養親族が同居特別障害者である場合

の控除額も改正されています。



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小規模宅地等の特例 - 平成22年度相続税改正 - [仕事]

住まいや事業に使われていたなど 生活に欠かせない財産を、

個人が、相続や遺贈により取得した場合、

一定の要件を満たせば、

宅地等 ( 土地または土地の上に存する権利 ) の評価を減額できる

特例があります。

「小規模宅地等の特例」といい、平成22年度に改正がありました。


今回の改正のポイントは、要件が厳格になったことです。


■ 相続税の申告期限まで居住や事業を継続しない

宅地等については対象外。

・・・改正前は、申告期限前に居住や事業をやめても

200㎡まで50%減額できました。

■ 宅地等を共同で相続した場合、取得者ごとに適用要件を判定。

・・・改正前は、共同で相続したうち一人でも要件を満たしていれば、

その宅地等の全体に適用されていました。

■ 一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等に、

特定居住用宅地等とそれ以外がある場合に、用途別に按分計算。

・・・改正前は、居住用があれば全体 (特定事業用宅地等、

特定同族会社事業用宅地等を除く) に80%が適用されていました。

■ 特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた

一の宅地等だけに限られることが明確にされました。


この改正は、H22年4月1日以後の相続から適用されます。


個人が相続または遺贈により取得した宅地等
建物または構築物の敷地の用に供されていた宅地等
被相続人等の居住または事業の用に供されていた宅地等
居住用 事 業 用
特定居住用
宅地等 (A)
特定事業用
宅地等 (B)
特定同族会社事業用宅地等 (B) 貸付事業用
宅地等 (C)
80% 80% 80% 50% 減額割合
240㎡ 400㎡ 400㎡ 200㎡ 限度面積


※ 上記のうち二以上の宅地等がある場合の限度面積

(A) × 5/3 + (B) + (C) × 2 ≦ 400㎡

特定居住用宅地等など ( A ) から ( C ) には要件がありますが、

要件に該当すれば、宅地等の評価額が80%か50%減額されます。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4608.htm


平成22年度の改正は、

内容的には大きな改正ではありませんが、

実務ではかなり影響がでています。


例えば、次に示す例では、

改正前では敷地全体 240㎡に80%の減額ができましたが

改正後は、用途別に按分計算するため、

敷地を建物の床面積の割合で按分します。


改 正 前 改 正 後
3階 居 住 用   特定居住用宅地等 ( 80%減額 )
2階 未 利 用   減額なし
1階 貸 付 用   貸付事業用宅地等 ( 50%減額 )
敷 地  240㎡
                  ↓
240㎡に80%減額   240㎡ × 1/3 ( 3階 ) × 80%
  240㎡ × 1/3 ( 2階 ) × 0%
  240㎡ × 1/3 ( 1階 ) × 50%



また、改正前は、共同で宅地等を相続した場合、

一人でも特定居住用宅地等の要件を満たしていれば

全体が特例の対象でしたが、

改正後は、取得者ごとに適用要件を判定するため

配偶者が 1/3 取得、別に住まいがある長男が 2/3 取得した

ような場合、長男の取得分は減額が認められなくなりました。


ケースによっては、かなりの増税となります。

事前に十分検討されておくことをお勧めします。



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給与所得と事業所得の区分 [仕事]


【質問】

自分はフリーのデザイナーですが、

初めて某会社と契約できることになりました。

報酬を貰った場合、

給与所得として源泉徴収票を貰うのですか、

あるいは事業所得として確定申告することに

なるのでしょうか。


【答え】

給与所得と事業所得の区分は、雇用契約に基づき

個々の作業で使用者の指揮監督を受けるかなどを

総合して判定します。



給与所得とは、
会社との雇用契約に基づき
使用者の指揮命令の下で働く
( 会社側は )
仕事に必要な材料や道具などを提供し
社会保険に加入させる義務あり
時間や仕事内容の拘束を受け
その対価として給料、賞与を貰う
仕事への責任を負うのは会社
一方、事業所得とは、
自分がその仕事を受けるかを判断
仕事に必要な材料や道具などは自分で用意
( 事業所得の必要経費となる )
保険も自分で加入
契約した期日や品質を守れば、
時間や仕事内容の拘束はなし
仕事への責任を負うのは自分



消費税基本通達では、その区分が明らかでないときは、

次の事項などを総合勘案して判定するとしています。

■ 契約の内容が他人の代替を容れるかどうか

(代替不可の場合は給与所得)

■ 仕事の遂行にあたり個々の作業で指揮監督を受けるか

(受ける場合は給与所得)

■ まだ引き渡されていない完成品が不可抗力で滅失した

場合等において、その者が権利として

既に提供した役務に係る報酬の請求をできるかどうか

(請求できる場合は給与所得)

■ 会社から材料や作業用具を供与されているか

(供与されている場合は給与所得)



会社の処理が間違っていることもありますので

よく確認されることをお勧めします。





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減価償却資産 - 取得価額による償却方法の選択適用 - [仕事]


法人が減価償却資産を取得し事業の用に供した場合、

資産計上し耐用年数に応じて費用計上しますが、

取得価額や一定の要件によっては、

取得時に全額を損金処理することも認められています。


取得価額 どちらか選択
少額の減価償却資産 (注1) 10万円未満 全額損金処理 資 産 計 上
( 法人税法施行令133 ) ( 償却資産 不要 )
一 括 償 却 資 産 20万円未満 3年で償却 資 産 計 上
( 法人税法施行令133の2 ) ( 償却資産 不要 )
中小企業等の
少額減価償却資産 (注2) 30万円未満 全額損金処理 資 産 計 上
( 租税特別措置法67の5 )
30万円以上 - 資 産 計 上
(注1) 使用可能期間が1年未満である場合にも全額損金算入できます。
(注2) 青色申告書を提出する中小企業等で、
        その事業年度で合計額が300万円に達するまでの金額となります。


例えば、青色申告書を提出する中小企業等が、

耐用年数6年で 

30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、 

・ 全額損金処理 (その年度で償却)

・ 資産計上 (この例では6年で償却)

20万円未満であれば、上記の他

・ 一括償却資産として3年で償却 など

要件により、法人に有利な方法を選択できます。

30万円以上であれば、資産計上しなければなりません。


また、減価償却資産は固定資産税(償却資産)の対象となりますが、

10万円未満の資産を一時に損金処理、 あるいは

20万円未満の資産を一括償却資産として3年で償却した場合には

課税対象となりません。


このように、どの方法を選択するかにより、

貸借対照表や損益計算書、

法人税等や固定資産税に

違いがでてきますので注意が必要です。



※ 取得価額の判定で、消費税の額を含めるかどうかは

納税者の経理方式によります。

税込経理であれば消費税を含んだ金額、

税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。

免税事業者の経理方式は税込経理になります。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2100.htm



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「世界最大の花」開花 - 文京区白山・植物園 - [仕事]


文京区白山にある小石川植物園で、7月22日の夜

「世界最大の花」といわれるインドネシア原産の花、

「ショクダイオオコンニャク」が19年ぶりに開花しました。

マスコミでも報道されたため、

翌日は大勢の人が訪れ、開園前すでに数百人が行列。

午前11時前にあまりの入場者数のため、

入園が打ち切られたそうですが、

午後1時半でも再開を待つ人、

これから見ようと来る人で、炎天下のなか大混乱。

暑さで気分が悪くなった人もでたようで救急車も出動、

警察官は汗だくで交通整理をしていました。


CIMG2271.jpg


花が咲くのは2日間だけとのことですが、

閑静な住宅街に突然の騒動となりました。



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住宅の貸付けと消費税 [仕事]


消費税は、国内で事業者が事業として行う商品の販売や

サービスの提供、資産の貸付けなどの取引を課税対象としています。

一方、課税対象となる取引のうち、

課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、

「土地の譲渡、貸付け」や「住宅の貸付け」など、

課税しない非課税取引も定められています。


アパートや店舗など不動産を貸付けている場合、

事務所や店舗として貸付けていれば課税となり、

住宅として貸付けていれば非課税取引とされるため (※)

「住宅の貸付け」の定義が重要になります。


消費税法別表第一 13、消費税法施行令第16条の2 では

非課税となる住宅の貸付けを規定していますが、

住宅とは、

「人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち

人の居住の用に供する部分」をいい、

貸付けとは、

「契約で人の居住の用に供されることが明らかなものに限られ、

一時的に使用される場合などを除く」とされています。


■ 住宅の貸付け
一戸建て住宅 住宅として使用 非課税
マンション
アパート
社 宅 貸付期間が 課 税
1月未満
店舗併用住宅
の住宅部分 住宅以外の使用
など
旅 館
ホテル 旅館業法第2条
貸別荘 第1項に規定
リゾートマンション する旅館業
など
■ 店舗などの貸付け
店  舗
事務所
工  場
店舗併用住宅
の店舗部分
など



(※) 店舗併用住宅を一括して貸し付けている場合には、

店舗と住宅部分を合理的に区分する必要があります。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6226.htm http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/06/13.htm



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103万円と130万円 - 学生のアルバイトと親の扶養控除 - [仕事]


【質問】

学生がアルバイトをした場合、年間の収入によっては、

所得税がかかったり

親の扶養控除にも影響があるそうですが ・・・


【答え】

学生の場合、

130万円以下の給料ならば所得税はかかりませんが

親が扶養控除の適用を受けるには、

給料を103万円以下にしなければなりません。


【解説】

扶養控除の適用には、

アルバイトで給料を貰っている学生(子)の

一年間の合計所得金額が38万円以下、

という要件があります。

数ヶ所でアルバイトしていれば合算、毎年、判定します。


給与には給与所得控除額という控除があり、

年間の給与が1,619,000円未満の場合

650,000円を控除した金額が合計所得金額となります

(年間の給与が651,000円未満の場合は0円)。

年間の給与が103万円の場合に、

65万円を控除すると38万円の合計所得金額となり、

扶養控除の要件を満たします。

アルバイト収入を103万円以下に抑えるというのは

このためです。


一方、一年間の合計所得金額が65万円以下であるならば(要件)、

アルバイトをした本人に所得税がかからない

勤労学生控除という制度があります。

勤労学生に該当し 、年間の給与が130万円であれば

65万円の控除で合計所得金額が65万円となります。


勤労学生の場合、年間130万円まで親の扶養控除が受けられると

勘違いしている人が多いのですが、

本人(子)に所得税がかからないだけで、

(扶養控除の要件に該当しないため)

親には扶養控除が適用されませんので注意が必要です。


子 (○) 親 (○)
アルバイト収入 所得税が 扶養控除を
103万円以下 かからない 受けられる
子 (○) 親 (×)
アルバイト収入 所得税が 扶養控除は
103万円超 130万円以下 かからない 受けられない
子 (×) 親 (×)
アルバイト収入 所得税は 扶養控除は
130万円超 かかる 受けられない



※上記のことは給与収入だけの場合を前提にしており、

社会保険料の要件も考慮していません。

他にも所得がある場合などでは適用されないこともありますので

要件を十分に確認して下さい。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1175.htm




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法人税の納税義務者 [仕事]


法人税の納税義務者は法人である。

法人の種類により課税範囲は異なるが、

国内に本店または主たる事務所を有する(内国)法人の

区分と各事業年度の課税の取扱いは次のようになっている。


区    分 課 税 範 囲
公共法人 日本政策金融公庫、国立大学法人 納税義務なし
( 法人税法別表第一        に掲げる法人 ) 日本放送協会、地方公共団体 など
公益法人等 宗教法人、日本赤十字社 収益事業の所得
( 法人税法別表第二        に掲げる法人 ) 企業年金基金、学校法人 など
協同組合等 農業協同組合、信用金庫 全ての所得
( 法人税法別表第三        に掲げる法人 ) 消費生活協同組合 など
人格のない社団等 (※) PTA、同窓会、同業者団体 など 収益事業の所得
普通法人 上記以外の法人 全ての所得
(株式会社、合名会社 など)




各事業年度の所得金額に対する税率は、 

普通法人の場合、

 

資本金または出資金 所 得 金 額 30%
1億円超の法人及び相互会社
その他の法人 所得金額 年800万円以下の部分 18%
所得金額 年800万円超の部分 30%


公益法人等、協同組合等、人格のない社団等の場合、

法人の種類、所得金額に応じて18%・22%・30%の税率となっている。



(※) 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの。





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平成22年度税制改正 - 住宅取得等資金贈与の非課税枠改正など - [仕事]


4月になり平成22年度の税制改正が施行された。

ここでは【所得税】【贈与税】のうち身近な改正を解説したい。


【所得税】

民主党政権となりマニュフェストで公約された

子ども手当の支給や高校の授業料無償化にともない

所得税の扶養控除の見直し(18歳まで)が行われた。

なお、子ども手当の支給は平成22年6月から予定されているが、

所得税の改正は平成23年分(住民税は平成24年度分)

から適用される。


現 行 扶養控除 特定扶養控除
( H22年分 ) (年少) 38万円 (16歳~22歳) 63万円
       
H23年分 縮小 同居老親等
58万円(10万円加算)
扶養控除 一般 特定 扶養控除 老人扶養控除
( 年 少 ) 扶養控除 扶養控除 ( 一 般 )
0円(廃止) 38万円 63万円 38万円 48万円
0歳~15歳 16歳~18歳 19歳~22歳 23歳~69歳 70歳~



【贈与税】

住宅取得等資金の贈与について非課税枠の改正が行われ

現行の非課税限度額 500万円が、平成22年は1,500万円

平成23年は1,000万円になった

(改正で受贈者に2,000万円の所得制限が付された)。

また、相続時精算課税を選択した場合の

1,000万円の住宅資金特別控除が廃止されたため

暦年課税・相続時精算課税を選択した場合、

それぞれ次のようになる。

なお、H22年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合は

現行、改正(図の右側)のいずれかの選択ができる。


現 行 H22年
(H22年) (H23年)
 ■ 受贈者の所得要件
贈与を受けた年の
所得制限なし 合計所得金額が
2,000万円以下
 ■ 暦年課税を選択した場合 (父母や祖父母などの直系尊属からの贈与)
1,500万円
500万円 (1,000万円)
110万円(基礎控除) 110万円(基礎控除)
610万円まで非課税 1,610万円(H22年)
1,110万円(H23年)まで非課税
 ■ 相続時精算課税を選択した場合 (父母からの贈与)
500万円 
  (住宅非課税)
1,500万円
1,000万円       
 (住宅資金特別控除)
(1,000万円)
(住宅非課税)
2,500万円 2,500万円
(特別控除) (特別控除)
4,000万円まで非課税 4,000万円(H22年)
3,500万円(H23年)まで非課税


※ 床面積や居住要件など上記以外の変更はない。




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継続は力なり ! [仕事]


2006年12月31日に始めたブログ。

約3年かけてやっと50回になった。

50回達成したらこれまでのブログを

本にすることを目標に投稿してきた。

先日、楽しみにしていた本も完成、

最高の気分を味わっている。


毎月1回投稿とノルマを課したが、

よくここまで続いたというのが正直な感想である。

月に1回の投稿ぐらいで

なにを・・・というなかれ。

昔から苦手な作文に50歳を超えての挑戦。

さらに間違いは書けない税務ブログ。

毎月、仕事の合間に、ネタに悩まされ、

文章に悩まされの連続であった。

そんな人間がAll Aboutという集客力を誇るサイトに

来月から投稿することになるなんて

我ながら信じられない。


まさに、継続は力なり !  と 言えないだろうか。






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年末調整 - 給与所得者の確定申告 - [仕事]


会社の経理、総務担当者や税理士事務所にとって

年末の風物詩ともいえる年末調整の時期となってきた。

この手続きはどのようなことで、なぜ必要なのだろうか。


【 年末調整とは一般的な給与所得者の確定申告 】

個人事業者は、一年間の収入や経費を計算し、

本人が翌年の2月16日から3月15日までに

事業所得などの申告をしなければならない。

この手続きを「所得税の確定申告」という。

それに対し、サラリーマンなど給与所得者の場合、

会社が本人の代わりに所得税を計算し、精算を行ってくれる。

この手続きを年末調整という。

毎月の給与からは源泉税が天引きされているが

この税額はあくまで概算の計算によるものである。

年の途中の扶養家族の増減、

生命保険料の控除、配偶者の所得など

年末にしかわからない事情も加えて計算し直す必要があり、

年間の給与総額が確定する年末の給与で精算を行う。

給与所得者の申告は、会社が源泉徴収票を

給与所得者が居住する市区町村に提出することで

完了する。


このように、一般的な給与所得者は

年末調整によって所得税の税額が確定するため

通常は「所得税の確定申告」をする必要がない。

しかし、次に掲げるように、

確定申告をしなければならない場合、

確定申告をしたほうがいい場合があるので、

毎年、確認をする必要がある。


【 確定申告が必要な場合 】

■ 給与の収入金額が 2,000万円を超える

■ 給与所得及び退職所得以外に20万円を超える所得がある

■ 同族会社の役員等で給与だけでなく

その同族会社に不動産を貸し付け賃貸料を貰っている

などの人は確定申告が必要となる。


【 確定申告をすれば税金が戻る場合 】

■ 医療費控除の適用を受ける

■ 住宅借入金等特別控除の適用を受ける ( 給与所得者は、

年末調整でこの特別控除の適用を受けることができるが

初年度は確定申告が必要 )

などの人は確定申告をすることで税金が戻る場合もある。



http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1900.htm

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1901.htm

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2030.htm




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インフルエンザの予防接種費用 - 会社が費用を負担した場合の課税問題 - [仕事]


インフルエンザが猛威をふるっている。


新型、季節性ともワクチンが足りないようであるが、

もし感染すると本人や家族はもちろん、

会社にとっても大変な事態となる。

そこで、会社が全社員を対象に

インフルエンザの予防接種をすることも考えられる。

ところが、本来個人が払うべき費用を会社が負担する場合

経済的利益といわれ、原則として給与課税となる。

今回のように会社が業務上必要なため行う場合でも

課税上の問題が生じるのであろうか。


健康管理の目的で行われる人間ドック費用を

会社が負担した場合の国税庁の回答が参考になる。

役員や特定の地位の人だけを対象にして

その費用を負担すると給与課税の問題が生じるが、

一般的(あまり多額でない)に実施されている程度の検診であれば

・ 一定年齢以上の希望者を対象

・ 検診を受けた全員の費用を負担

の場合に福利厚生費として処理できる。


http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/03/03.htm


インフルエンザの予防接種の場合には、

一定年齢という基準を設けず、

全社員を対象に希望者全員の費用を負担する

ことが必要になるようである。

国税庁から正式に公表されていないが、

上記の要件を満たしていれば福利厚生費として処理して

問題ないようである。


一方、所得税の確定申告で、

個人的に払った人間ドックや予防接種などの費用は、

治療とは認められないため、

原則として「医療費控除」の対象とならないので

注意しなければならない。


http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122_qa.htm#q1




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法人税法上の「役員」とは [仕事]


【 なぜ 役員の範囲を定める必要があるのか 】

役員は、自らの給与を利益調整に利用し法人税の負担を減らすなど、

自由に決定する権限を持つ。

そのため法人税法では、役員給与について、

定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与など

一定の要件を満たすことを損金算入の要件とし、

使用人の給与に比べ取り扱いを厳格にしている。

さらに実質は役員であるが、

名目だけ使用人にして課税を逃れるという行為を防止するため

会社法などの規定より広い範囲に役員を定義している。


【 法人税法上の役員とは 】

役員の他、一定の株を所有する同族会社の使用人など、

実質的に法人の経営に従事(経営上の重要事項の意思決定に参画)

している者も含まれる。


役員 ( 取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、幹事、清算人 ) 法人税法上 の役員
会社の経営  に従事 法人の使用人以外の者 ( 相談役・顧問など ) みなし役員
同族会社の使用人のうち、持株要件を満たす者

【 使用人兼務役員に支給される賞与は 】

役員に支給した賞与は、原則として損金不算入となるが、

使用人兼務役員に支給される賞与については

使用人部分の損金算入が認められている。

使用人兼務役員とは、

「役員としての地位」と「使用人としての地位」を併せ持つ者で、

部長、支店長、工場長、支配人など

法人の使用人としての職制上の地位を有し、

常時使用人としての職務に従事する役員をいう。

以下の表の者は該当しない。


代表取締役、副社長、会長、頭取、理事長、監査役など     →    使用人兼務役員        になれない
取締役営業担当のように特定部門の職務を総括する者
非 常 勤 役 員
同族会社の役員で、持株要件を満たす者




このように、法人税法では、

「役員」に「みなし役員」と「使用人兼務役員」というカテゴリーを加え

『実質的な役員』を定義している。



http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5200.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5209.htm



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