「クイズの賞金や競馬の払戻金」と確定申告 [仕事]
10年以上買い続けた宝くじ。ついに念願の一等に当選。
でも、税金はどうなる ?
▼ 宝くじの当選金には「当せん金付証票法」という法律があり
非課税とされています。
ではクイズで賞金を貰ったり競馬で儲けた場合には ?
▼ その場合は一時所得となり、
金額によっては確定申告をしなければなりません。
年間を通じて競馬やクイズに応募している人の
ある年の収支が次の通りだとします。
競 馬 | 日 付 | 収 入 | 必要経費 | 損 益 | |
1/10 ・ 1R | 80万円 | 20万円 | 60万円 | ① | |
1/10 ・ 2R | 0 | 30万円 | △ 30万円 | ② | |
1/10 ・ 3R | 0 | 40万円 | △ 40万円 | ③ | |
5/25 ・ 1R | 0 | 20万円 | △ 20万円 | ④ | |
( 年 間 ) | ( 80万円 ) | ( 110万円 ) | ( △ 30万円 ) | ||
クイズの賞金 | 2/18 | 4万円 | 0 | 4万円 | ⑤ |
10/24 | 10万円 | 0 | 10万円 | ⑥ | |
( 年 間 ) | ( 14万円 ) | ( 0 円 ) | ( 14万円 ) | ||
一時所得 計 | △ 16万円 |
この例では、
年間を通じた損益(儲け)は競馬は損失、賞金はプラス
合算すると損失となっています。
それなら申告する必要ないじゃない ?
所得税基本通達 ( 34-1 ) では一時所得の例示として
■ 懸賞の賞品金、福引の当選金品等
■ 競馬の馬券、競輪の車券の払戻金等
■ 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等
などを掲げていますが、
一時所得とは、給与所得や事業所得等以外の所得のうち
営利を目的としない一時的な所得で、労務その他の役務
または資産の譲渡の対価ではないものをいいます。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1490.htm http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/04/08.htm
一時所得の金額は、
総収入金額 - その収入を得るために支出した金額
- 特別控除額 (最高50万円) = 一時所得の金額
一時所得の金額 × 1/2 = 課税される金額
で計算されます。
注意しなければならないのは
収入の計算では、全ての一時所得の儲けた分 ( ① ⑤ ⑥ )
だけを抜き出さなければならないことです。
あくまで一回ごとに考えます。
必要経費も、収入と直接関係がある支出だけになるため
競馬では当たり馬券だけが認められ
はずれ馬券 ( ② ③ ④ ) は収入から差し引くことも
必要経費にすることもできません。
クイズの賞金の場合は、当選した分のはがき代ぐらいとなります。
そのため、上記の例では
収入 ・・・ 80万円 + 4万円 + 10万円 = 94万円
経費 ・・・ 20万円
特別控除 ・・・ 50万円 ( 年間 )
となり
( 94万円 - 20万円 - 50万円 ) × 1/2 = 12万円
が一時所得として課税対象になります。
このように通算すると赤字でも
個別の黒字だけで計算しなければならないので
注意して下さい。
一年間に生じた全ての一時所得を合算して
50万円以上の場合に申告が必要となるため、
多くなりそうな年は書き出しておき
生命保険も満期保険は年度をずらして契約
するなどした方が良いでしょう。
競馬の勝ちをいちいち記録していない !
その通りかもしれません。
でも原則は申告しなければならないのですよ。
※ クイズの賞金は、
現金や商品券の場合はその金額を収入金額としますが、
貴金属などは売却するとした場合の処分見込み額、
自動車などの場合は、通常の販売価額の60%で評価します。
※ サラリーマンなどの給与所得者は、
・ 給与等の合計額が 2,000万円を超える人
・ 給与所得以外の所得の合計額が 20万円を超える人
などの場合を除き、確定申告する必要がありません。